蝶々の足跡


「八本脚の蝶」という本を買いました。
若くして亡くなった二階堂奥歯さんという編集者の方が、webに掲載していた日記を書籍化したものです。
現在もweb上に残されており(タイトルで検索すると出てきます)、私もときどき読み返していたんだけど、こう何回も読むんだったらもう本を買ってしまおうとア*ゾンでポチっと。

届いてまず装丁がきれいだなぁとびっくりした。
表紙のちょっとグロテスクな蝶の翅とか、本の背に銀で飾られた書名とか、物語に出てくる不思議な本みたいでちょっとわくわくする。

内容は作者の好きな本、物、言葉、人、感じたこと色々。
こんなにも愛したものがたくさんあったのに、どうして自ら命を絶ってしまったのか。
(これは疑問ではなく、本当に残念だという嘆息)
亡くなる前の約1ヶ月の記録は、読んでいてとても苦しい。

書籍の方には、作者が愛した物達の写真、作者に近しい方々によるコラムが収録されています。
本人の自筆と思しき読書メモの写真にちょっと怯む。筆跡が生々しくて。

ときどき、この人が生きてて今の世界を見たらどう思うのかな、と考えたりする。
そういうのも含めて「残る」本だと思います。